授業内容の紹介 | 国立大学法人静岡大学 法科大学院
教育ビジョン

授業内容の紹介

実務の具体的な場面をイメージすることで、刑事法の理論がもつ意味を深く理解することに繋げていきたい。
・・・・・総合刑事法演習/古口 章


私も教員の1人として担当する「総合刑事法演習」の授業風景を紹介します。授業は週1回、学生十数人、教員は研究者と実務家が共同担当します。素材は、実際の事件に近い形でモディファイされた具体的設例です。逮捕・勾留、起訴、冒頭手続、証拠調べ、論告、判決など、検察官、弁護人、裁判官が各場面で問われる実務的な諸問題にどう対応するべきかを論議し、それらが刑法、刑事訴訟法の理論問題とどのように交錯しているかを再確認していきます。学生達はいくつかの班に分かれ、設例・設問に対する解答のプレゼンテーションや、1回目の授業の論議を踏まえた発展問題、次回授業において深めるべき論点についてのプレゼンテーションを用意し、相互に質問し合い、意見を述べ合います。
こうした中で、学生が実務の具体的な場面をイメージしつつ刑事法の理論のもつ意味を深く理解することに繋げていきたい。学生の主体的、積極的な学習意欲を引き出し、文字通り双方向、多方面の少人数教育の教育手法をあみだしていきたい。研究者教員と実務家教員が相互に学び合い、授業を創る共同作業の中で、実務と理論を架橋する内容を発見し創造していきたい。全国の法科大学院の中でも、もっとも贅沢な少人数教育という条件を活かし、教育内容も教育手法も全国レベルを先導していけるものを創りあげたい。学生も教員も、こうした熱い期待を込めて授業を創る共同実践をはじめています。
法科大学院の目的は「国民の社会生活上の医師」としての役割を果たすことのできる法律家を育成することです。そのためには、教育の担い手である実務家と研究者の双方の自己改革が必要です。
また、学ぶ側の学生の姿勢の変革も必須です。今、静岡大学法科大学院の中で、そうした変革が確かに進行しつつあるように思います。
そのことは、法律家を利用する側の皆さんからみて満足できるサービスを提供することを可能にする新たな実務、新たな教育を創造することを意味します。