教育理念 | 国立大学法人静岡大学 法科大学院
教育ビジョン

教育理念

 東京や大阪といった大規模都市圏に次いで、約370万人の県民を擁し、全国屈指の工業製品出荷高を誇る静岡経済圏にあっては、とりわけ浜松地域が典型ですが、地域企業が海外へ業務を展開し、これに伴ってヒト・モノ・情報が国境を越えて移動するなど、国際化がいっそう進展しています。他方、市民生活においても、雇用形態の多様化、消費者取引の複雑化、さらに医療行為の高度化など、それに関わる専門的かつ複雑な法的事案・事件が増大しています。また、地方分権の進展や静岡市や浜松市が政令指定都市として誕生したことにも象徴されるように、地域行政において行政事務が拡大・複雑化するなど地域社会の変容が顕著になるに連れ、これに対応することのできる、量的(平成22年6月現在、静岡県弁護士会所属の弁護士は約330名)、質的により高度な法務の専門家が必要とされる状況が生じています。

 このように大きく変容しつつある地域社会を担う法務の専門家(法曹実務家)には、基本的な法務の能力・力量のみならず、豊かな人間性や感受性、社会や人間関係に対する洞察力を備えつつ、十分な職業倫理を身につけ、人権感覚、幅広い教養と専門的知識、柔軟な思考力、説得・交渉の能力等の資質に加えて、先端的法分野や外国法の知見、国際的視野、さらには語学力等の能力などがいっそう求められています。

 本法科大学院は、こうした地域の期待・要請に応えるべく、多様な資質・経験を有する人材を積極的に受け入れ、静岡県弁護士会はもとより、地方自治体や地域企業などの地域社会と連携しつつ、国際化する、静岡県域がその典型である都市型地域社会において生じる地域特性的な案件にも対応し得る法務の力量を備えた、地域社会を担う法曹実務家を養成し、地域に貢献することを目指しています。
もとよりこれは、静岡県という地域にその活動を限定した法曹実務家を養成するということではなく、”Think globally , act locally”という標語もあるように、地域で立派に働ける法曹実務家は、どこの地域においても通用する普遍的な能力をもった法曹実務家でなければなりません。

 以上が本法科大学院の教育の理念・目的です。

 

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

 国際化する都市型地域社会に特有な法律問題にも対応する力量を備え、法曹実務家として活動できる基礎的な能力の涵養を教育目標としており、下記に示す資質・能力を身につけている者に法務博士(専門職)の学位を授与する。
1.専門的な法知識を習得し、それを批判的に検討し、また発展させていく創造的な思考力を身につけていること。
2.事実に即して具体的な法的問題を解決していくために必要な法的分析能力や法的議論の能力を身につけていること。
3.先端的な法領域についての基本的な理解力を身につけていること。
4.法曹実務家としての社会的役割とその責任や倫理観に基づき、自覚した行動を選択できるような主体的判断能力を身につけていること。